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扉と住まいのあり方

 西洋の住まい、特に北方の住まいは、内と外を厳しく分けて、自然界や外部の脅威(きょうい)から身を守ることが第一の役割と考えられています。現代日本の住宅の玄関は、昔ながらの引き戸よりも開き戸(玄関ドア)が主流になっていますが、西洋の伝統的な重厚な扉とは、どこか異質なものといってもよいような気がします。
 どっしりとした玄関扉は二重ロックに加えてオートロック式。すべての窓、各部屋の扉にいたるまで鍵が必要で、住まいの中が完全に閉め切った状態ができあがります。うっかり鍵を忘れて外へ出ると、たとえ住人でも、中に入ることはできません。このような家に住む人が自分の住まいに親しい友人やお客さまを迎えるときは、多少オーバーかと思うほどの身振りで喜び合います。守りの堅い住まいが、人と人をつなぐ場所に変わる瞬間です。こうした歓迎の思いは、客人が最初に目にする玄関扉の美しいデザインにも現れています。

             (親子の住まい方教室より抜粋)